約20年位前、イタリア北部のアルプス山中で偶然発見されたミイラ。
約5300年前の古代人のミイラだと推測されました。
20年間ずう~っと冷凍保存されていましたが、現在のテクノロジーを駆使して
内部を解明しようと解凍されることになりました。
その模様を昨日のNHKで放送されてたんですが、これがまた面白かったです。
体のいたるところに謎のタトゥがありました。これは鍼灸師がみて驚いたそうです。
現在のツボと呼ばれる場所に正確にあったそうです。古代人も鍼灸治療を受けていた事
になります。3000年前、中国発祥といわれるものが5000年以上前にヨーロッパですでに
あったという事になりますね。このアイスマンは腰の背骨の軟骨が飛び出ていて
いわゆるヘルニアの様な感じで、腰の治療を受けていたそうです。腰が悪かったんですね。
胃の内容物を調べたところ、お腹いっぱいの状態で、鹿の肉類が詰まっていました。
それとハーブ類。古代人は空腹を満たすだけでなく、ハーブ類を使っておいしく食べていた
そうです。それと小麦粉。わずかなすすがついているので恐らくパンに加工して焼いて
食べていたと推測されました。古代人は質素な食事と考えられていましたが、意外とグルメ
だったのかもしれません。
腸内には場所により違う種類の花粉が発見されました。花粉の違いで標高何メートルの地点に
何時ころ居たかという事がわかるそうです。これはどういう事かというと、死の数時間前まで
標高が低いところから高いところへそこそこなスピードで歩いていた事が分かったそうです。
で、なぜ山の中で死んでいたのか?何を目的に行ったのあろうか?腰が悪いはずなのに?
長い間、狩りの途中に凍死したと考えられていましたが、どうやら違ったようです。
肩の内部に槍の先端が埋まっていました。もちろん背中にわずかに切り傷がありました。
それと目の奥の頭蓋骨に割れ目があり、脳を調べると後頭部に赤血球が溜まっている。
かなりの量の脳内出血があったと考えられます。
これはどういう事かというと、背後から槍で刺されてから、とどめに石のようなもので
頭を殴られて殺害されたという事です。刺した槍は抜かれていたことも分かりました。
槍は射手が特定できるようにそれぞれ模様や形が違っていたそうです。
という事は殺害者が分からないように隠ぺいという事になります。
持ち物からかなり高度な技術で槍や毛皮や靴を作っていたことが分かります。
5300年前の古代人は高度な技術を持ち、食にグルメで、何か理由があって殺人まで犯す
今と変わらないような人間関係があったのかも知れません。
面白かったです。私こんなの好きなんです(笑)。
採取した者はできる限り元へ戻し、再度冷凍保存して、さらにテクノロジーが進歩した
未来へ託すのだそうです。
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